Kedanto

Papagoは韓国語を丁寧語にでき、Google翻訳はオフラインでメニューを読める

2026-10-19
ソウル・鍾路区の細い通り。韓国語で書かれた飲食店や居酒屋の縦長の看板が並び、右手に青い「ALL NIGHT」の看板が光っている
写真: Sharon Hahn Darlin, CC BY 2.0 / Wikimedia Commons

日本語を話す旅行者が韓国で店の人とやり取りするなら、答えはおおむね「はい」です。韓国のIT企業Naver(ネイバー)の翻訳アプリPapago(パパゴ)には、韓国語の訳文を丁寧な言い方に切り替えるスイッチがあり、オフライン翻訳も韓国語と日本語の組み合わせに対応しています。ただし、通信のない場所でメニューにカメラを向けたいなら話は逆です。Googleはダウンロード済みの言語ならカメラ翻訳がオフラインで動くと案内していますが、NaverはPapagoの画像翻訳がオフラインでは使えないと明記しています。韓国語の翻訳精度を比べた公式データはどちらの会社も出していないので、この記事では「何ができるか」を比べます。根拠はNaverの韓国語版Papagoヘルプ、PapagoのApp Storeのアップデート履歴、Google翻訳のヘルプ、両アプリのストア掲載情報で、いずれも2026年10月10日に確認しました。

PapagoGoogle翻訳
対応言語14言語最大249言語(App Store。機能は言語により異なる)
韓国語のオフライン文字翻訳日本語・英語・中国語(簡体字)との組み合わせのみオフライン対応59言語(Google Play)。同じモデルを使うML Kitの資料では韓国語を含む
通信なしのカメラ翻訳不可両方の言語をダウンロードすれば可
通信なしの会話翻訳不可Pixel 9・10・11のみ、韓国語の組み合わせなし
丁寧な韓国語への切り替えあり(英語・日本語・中国語から)見当たらない
カメラ翻訳の上限1日100枚(App Storeのアップデート履歴)ヘルプに記載なし

カメラで韓国語のメニューや看板を読むなら、どちらが向いているのか?

精度の公式比較はないので、現地で差が出るのは通信と回数です。Papagoのカメラ翻訳は通信が必要で、App Storeのアップデート履歴では1日100枚まで。Google翻訳のカメラは韓国語をダウンロードしておけばオフラインでも動きます。

Papagoのヘルプによると、カメラの使い方はいくつかあります。撮影してから訳したい部分を指でなぞる方法、「全体選択」ですべての行を訳す方法、写真の上に訳文を重ねて表示する方法、そして撮影せずにカメラを向けた画面をそのまま訳すリアルタイム翻訳です。App Storeのアップデート履歴(2026年4月・5月)には、画像翻訳の1日の上限を50枚から100枚に引き上げたとあります。同じ更新で、撮った写真から周辺の店舗情報を表示する機能が加わり、位置情報の許可を求めるのはそのためです。なお、ウェブ版のpapago.naver.comでは画像翻訳にNaverへのログインが必要で、月30枚まで(毎月1日に韓国時間でリセット)です。

Google翻訳のヘルプは、カメラを文字に向ければ翻訳が即座に表示されると説明しています。Google Playの掲載情報では、リアルタイムのカメラ翻訳は94言語に対応しています。小さい文字、不鮮明な文字、装飾的な書体は正しく訳されないことがある、という注意書きもありますが、同じページは訳せるものの例として手書きのメモを挙げています。手書きについてNaverのヘルプは逆の書き方で、手書きや筆記体、模様や線の入った背景の上の文字はPapagoが認識しにくいとしています。

Papagoは韓国語と日本語をオフラインで訳せるのか?

訳せます。オフライン翻訳の対象は、韓国語・日本語・英語・中国語(簡体字)の4言語どうしです。 Naverのオフライン翻訳ヘルプには、この4言語の間ならどの方向でも訳せると書かれています。中国語(繁体字)、タイ語、ベトナム語、スペイン語などPapagoのほかの言語は、オンラインでしか使えません。

オフライン用の言語パックを入れておけば、通信なしで使えるのは文字入力の翻訳と音声翻訳です。オフラインで使えないものとしてNaverが挙げているのは、画像・会話・ウェブサイト・文書の翻訳、手書き入力、発音の再生、辞書情報、用語集、そして敬語(Honorific)スイッチです。端末はRAM 4GB以上が条件で、Androidで音声翻訳をオフラインで使うにはAndroid 14以上と音声用の追加パックも必要です。iPhoneでは、2026年9月1日のバージョン1.12.0でオフラインの音声翻訳が加わり、オフライン翻訳の品質も改善されたとアップデート履歴にあります。Papago自体はiOS 17.0以上、Android 9.0以上で動くとNaverは案内しています。

Google翻訳はオフラインで韓国語をどこまで訳せるのか?

韓国語と日本語の両方をダウンロードしておけば、文字の翻訳もカメラ翻訳もオフラインで使えます。 Googleのヘルプによると、言語の選択画面でダウンロードボタンを押して保存し、ボタンが出ない言語はダウンロードできません。ダウンロードが遅くなったり通信料がかさんだりしないよう、Wi-Fiにつないでいるときに行うよう勧めています。画像翻訳のヘルプには、ダウンロードした言語ならインターネットに接続していなくてもカメラ翻訳が使えるとあります。

オフライン対応言語の一覧はヘルプに載っておらず、Google Playの掲載情報が59言語と数えています。開発者向けのML Kitのドキュメントは、端末内で動く翻訳について「Google翻訳アプリのオフラインモードと同じモデル」を使うと説明し、59言語の中に韓国語・日本語・中国語が入っています。同じページには、英語以外の言語どうしを訳すときは英語を中継するので品質に影響することがある、とも書かれています。この説明どおりなら、Google翻訳で日本語と韓国語をオフラインで訳すと英語を経由することになるはずです。Papagoのオフライン翻訳は、日本語と韓国語がそもそも対象言語どうしです。

丁寧な韓国語で伝えられるのはどちらか?

Papagoは「Honorific(敬語)」スイッチで切り替えられます。Google翻訳にはその設定がありません。 韓国語にも日本語の「です・ます」にあたる丁寧な語尾があり、友人どうしなら自然な文でも、店の人に向けると素っ気なく聞こえることがあります。

Naverはこのスイッチを2019年1月、英語から韓国語への翻訳で始めました。発表では、一人称の「나」が謙譲の「저」に、「했다(した)」が「했습니다(しました)」になる例が挙がっています。2026年10月10日にpapago.naver.comで確かめると、英語・日本語・中国語(簡体字・繁体字とも)から韓国語に訳すときにHonorificスイッチが表示され、フランス語から韓国語では出ませんでした。中国語からは初期状態でオンですが、日本語から韓国語では初期状態がオフなので、自分でオンにする必要があります。韓国語から日本語に訳す方向でも、このスイッチは表示されました。オフラインではこのスイッチが使えないため、丁寧な韓国語に切り替えるには通信が必要です。

Google翻訳のウェブ版には、同じ日に英語から韓国語で試しても丁寧さを選ぶ項目はありませんでした。Google翻訳のヘルプにも、丁寧な言い方とくだけた言い方を選ぶ方法を説明した記事は見当たりません(性別ごとの訳を表示する機能の記事はあります)。近いものとしては、2026年2月に米国とインドのアプリで始まった機能があり、別の訳し方の候補に「understand」「ask」ボタンが付いて、Googleは会話の「トーン」をつかむのに役立つと説明しています。ただしこれはアプリに質問する仕組みでスイッチではなく、発表では対応言語も示されていません。

韓国語で会話するとき、どちらの会話モードが使えるのか?

どちらにも会話モードがあり、韓国語ではどちらも通信が必要です。 Papagoの会話翻訳は、自分の言語と相手の言語にそれぞれマイクがあり、話す人が自分の言語のマイクを押して話すと、訳文が読み上げられます(自動読み上げは設定でオフにできます)。周りがうるさいときはマイクを長押ししたまま話すと認識の精度が上がる、とNaverのヘルプにあります。会話翻訳はオフラインでは使えない機能の一覧に入っています。

Google翻訳のリアルタイム翻訳(live translate)は対応言語に韓国語を含み、会話モード、聞き取りモード、文字のみのモードと、画面を2人で分けて使う対面モードがあります。Androidのヘルプによると、オフライン用にダウンロードできるのはPixel 9・10・11だけで、一覧にある10の組み合わせ(日本語と英語など)に韓国語は入っていません。

カメラ翻訳のデータ量に、公表された数字はあるのか?

ありません。NaverもGoogleも、写真1枚あたり・カメラ1分あたりのデータ量を出していません。 Googleの画像翻訳ヘルプは、よい結果のために「安定した通信」を勧めているだけです。Naverのヘルプには画像翻訳のデータ量も、オフライン言語パックの容量も書かれていません。Googleが容量を示したのは2018年6月のブログで、オフライン言語パックは1言語35〜45MBでした。現在のAndroid向けヘルプは「言語ファイルは小さい」と書くにとどまっています。地図やメッセージなど1時間あたりの目安は韓国旅行に必要なデータ量にまとめています。

Papagoのカメラ翻訳と敬語スイッチ、両アプリの会話モードは、電波がなければどれも止まります。そして店先でいちばん手が伸びるのも、この3つです。ケダントの韓国eSIMは、SKテレコムとLG U+を通るモバイルデータをスマートフォンに持たせて、Wi-Fiのない場所でもこの3つを動かし続けます。翻訳アプリに電波が要る同行者がいれば、テザリングをオンにして分けてあげられます。通話とSMSはこのeSIMの守備範囲外で、韓国の番号は付かず、SMSも届きません。

アプリは両方要るのか、1つで足りるのか?

両方入れて、それぞれ得意な場面に割り振るのが確実です。

  • Papago: 店の人に話しかけるときの主役にします。Honorificスイッチをオンにし、出発前にWi-Fiで韓国語・日本語のオフラインパックを入れておきます。
  • Google翻訳: 韓国語と日本語をダウンロードしておき、通信がないときのカメラ役にします。
  • 同行者が日本語以外を話す場合: タイ語やベトナム語などはPapagoではオンラインのみなので、その人のオフライン用にはGoogle翻訳の言語を入れておきます。

本番はたいてい、その日の料理がマーカーでホワイトボードに書かれたカウンターで訪れます。手書きの文字は、Papagoのカメラが苦手だとNaverのヘルプがはっきり書いている種類の文字です。写真の訳が崩れたら、料理名をPapagoの手書き入力欄に指で一画ずつ写してみてください。カメラと同じく手書き入力も通信が必要で、電波がないときに試せるのはGoogle翻訳のオフラインのカメラです。

データは出発前に用意を

SIMはそのままで、データ回線を1つ足すだけです。普段の番号は今のSIMに残ります(海外で電話やSMSを受け取れるかは、ご契約の通信会社のローミングによります)。

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