Kedanto

ソウルの無料Wi-Fiは市場・公園・バスでつながり、その間の道では途切れる

2026-10-11
2019年に撮影された、ソウルの路線バスの窓に貼られた科学技術情報通信部のオレンジと白の案内。バスのWi-Fi「PublicWifi@BUS_Secure」へのAndroidとiPhoneでの接続方法が書かれている
写真: Kth696586, CC BY-SA 3.0 / Wikimedia Commons

ソウルの無料公共Wi-Fiは、市場や公園、観光地の中、そして市内バスに乗っている間なら十分に使えます。足りないのはその間の時間、つまり地図を開いて次の場所へ歩くとき、地下鉄に乗っているとき、タクシーに乗っているときです。 ソウル市は公共Wi-Fiの設置場所を公表しており、途切れる場所はその一覧からそのまま読み取れます。この記事は、ソウル市の公共Wi-Fiの案内ページ(2026年3月12日更新)、市のオープンデータにあるWi-Fi設置場所の一覧、科学技術情報通信部の2025年通信品質評価にもとづき、いずれも2026年10月10日時点で確かめています。

ソウルの無料公共Wi-Fiはどこで使えるのか?

市が挙げているのは、大通り、伝統市場、公園・河川、バス停、観光地、文化施設、福祉施設、そして市内バスと村バス(マウルバス)です。 これがソウル市の公共Wi-Fiページ(2026年3月12日更新)に載っている設置場所のすべてです。市のオープンデータにある公共Wi-Fiの設置場所一覧は、2026年10月10日の更新時点で26,286件あり、同じ建物が何度か出てくることもあります。

どこに密集しているかは、市が2023年に出した英語のニュースリリースからうかがえます。2022年上半期に梨泰院(イテウォン)と清渓川(チョンゲチョン)沿いに4,500か所、下半期に漢江公園とソウル大公園に3,000か所以上を設置し、そのうち490か所は汝矣島(ヨイド)や纛島(トゥクソム)など、漢江公園の中でも人の多い11地区に置いたとしています。

出かける前に場所を確かめたいなら、ソウル市の「Smart Seoul Map」(map.seoul.go.kr)に「Seoul Public Wi-Fi」のレイヤーがあり、屋内と屋外に分けて表示できます。地図の画面は日本語にも切り替えられます。

SEOUL_Secureにはどうつなぐのか?

Wi-Fiの一覧でSEOUL_Secureを選び、IDとパスワードの両方に「seoul」と入力します。 ソウル市は、一度この方法でつなげば、公共Wi-Fiが設置されている場所ではどこでも自動で接続されると案内しています。もう一つのSEOUL_Secure_(3)は新しいWPA3-Enterprise方式で、同じIDとパスワードで入れます。Androidで追加の設定を求められたら、表紙の写真にある科学技術情報通信部のバスWi-Fiの案内(2019年撮影)が参考になります。EAP方式はPEAP、CA証明書は「検証しない」を選ぶ形です。

パスワードのない「SEOUL」は仕組みが違います。日本の駅やお店でよく見る、ブラウザの画面でボタンを押して接続するタイプで、市はつなぐたびに毎回手動でボタンを押す必要があると書いています。旅行者にとってはこの違いが、移動中にWi-Fiを使えるかどうかを分けます。SEOUL_Secureは次のアクセスポイントに着けば自分でつなぎ直しますが、SEOULはポケットの中のスマートフォンでボタンが押されるのを待ち続けます。

つながっている間の速度は十分か?

十分です。 科学技術情報通信部と韓国知能情報社会振興院(NIA)が2025年12月30日に発表した2025年通信サービス品質評価では、公共Wi-Fiの平均ダウンロード速度は400.48Mbpsでした。地図やメッセージ、動画に必要な速度を大きく上回ります。同じ評価では、点検した1,269か所のWi-Fiのうち41か所で、通信会社のカバレッジマップにはWi-Fiありと表示されているのに、機器の故障などで現地では使えませんでした。速さは問題ありません。当てにできないのは、自分が立ち止まったその場所に電波があるかどうかです。

場所と場所の間を歩くと、なぜ地図が止まるのか?

Wi-Fiは一覧に載った場所に置かれたアクセスポイントから出ていて、二つの場所の間にはそれがないからです。 一覧にあるのは「大通り」で、すべての道ではありません。住宅街の路地や、ゲストハウスまでの最後の数百メートルはどこにも入っていません。歩いている間、スマートフォンは一つのアクセスポイントから外れ、次に着くまでつながりません。

ネットワークの中にも、もう一つ切れ目があります。2021年より前のソウルには公共Wi-Fiの名前(SSID)が50ほどあり、市の2021年1月の発表は、運営者の違うアクセスポイントに移るたびにつなぎ直す手間があったと書いています。この発表で市の公共Wi-FiはSEOULとSEOUL_Secureに統一されましたが、科学技術情報通信部や通信会社が開放したWi-Fiは段階的に加えていくとされました。市の2023年のリリースでもネットワーク名は「SEOUL/Public Wifi Free」と「SEOUL_Secure/Public WiFi Secure」の併記で、自動ではつながらないアクセスポイントに今も出会う可能性があります。

地図アプリは、経路やバスの到着時刻、徒歩の案内にリアルタイムのデータを使います。NAVER MapでもKakaoMapでも、オフラインで経路案内を完結させる公式の方法は見つからなかったことを韓国の地図アプリの記事に書きました。地図がいちばん必要な、二つの場所の間こそ、公共Wi-Fiがいちばん届かない場所です。

韓国のSIMなしでソウルの地下鉄Wi-Fiは使えるか?

当てにしないでください。 2025年の政府評価はWi-Fiを三つに分けています。カフェや地下鉄駅を例に挙げる「商用Wi-Fi」はその通信会社の契約者だけが使えるもの、「開放Wi-Fi」は商用Wi-Fiを他社の契約者にも開放したもの、伝統市場や住民センターなど公共の場所にある「公共Wi-Fi」は誰でも使えるもの、という定義です。地下鉄の車内や駅はソウル市の公共Wi-Fiの一覧に入っておらず、韓国の通信会社と契約していない旅行者に地下鉄のWi-Fiを開放したという公式の案内も見つかりませんでした。地下でモバイルデータがどこまでもつかは、地下鉄・KTX・山道の記事で扱っています。

バスのWi-Fiは役に立つか?

乗っている間は役に立ちます。 市内バスと村バスはソウル市の一覧に入っており、市の2023年のリリースは、SEOUL_Secureに一度ログインすれば大通りや公園、市場と同じようにバスでも自動でつながると書いています。2021年の発表では、新しく設置する市内バス1,399台分とバス停1,259か所分にSEOUL_Secureを使い、既存の市内バス約6,000台分は科学技術情報通信部と協議してソウル市の名前を加えるとしていました。表紙の2019年の案内のように、科学技術情報通信部のネットワーク名のままのバスもあるかもしれません。いずれにしても接続は降りた瞬間に終わり、停留所から先の道のりは自分のデータか、何もないかのどちらかです。

カフェやホテル、タクシーではどうか?

カフェにある通信会社のWi-Fiはその会社の契約者向け、店独自のWi-Fiは店しだい、タクシーはそもそも一覧にありません。 2025年の政府評価は、通信会社の契約者だけが使える商用Wi-Fiの例としてカフェを挙げています。カフェやホテルが自前のWi-Fiを用意しているか、パスワードをどう教えてくれるかは、それぞれの店次第です。タクシーには使える公共Wi-Fiがないので、乗っている間に経路を追うのも、ホテルに連絡するのも、自分のデータ頼みです。

仁川空港は分かりやすい例外で、空港の無料Wi-Fiは館内全体をカバーしています。詳しくは到着後にeSIMを買う記事にあります。

SEOUL_Secureでログインや支払いをしても大丈夫か?

暗号化はされていますが、市自身が慎重な使い方を求めています。 ソウル市の2021年の発表は、SEOUL_Secureでは送信データが暗号化されると書いたうえで、誰でも接続できる公共Wi-Fiの性質上、重要な個人情報の入力や金融取引は最小限にするよう呼びかけています。現在のページは、WPA3-Enterpriseを使うSEOUL_Secure_(3)をより安全な選択肢として加えています。銀行アプリやカード決済、パスポート情報を入れる予約には、モバイルデータかホテルのネットワークを使うほうが安心です。

途切れる部分を埋めるのに、どれだけのデータが要るか?

ほんのわずかです。重い使い方はWi-Fiに任せられるからです。 ケダントのデータ計算機は、地図とナビを1時間あたり約12MB、ウェブ・メッセージ・翻訳を1時間あたり約45MBとしています。移動中に1日3時間地図を見て、1時間メッセージを使うと約81MB、5日間で約0.4GBです。動画やアップロード、アプリの更新は、SEOUL_Secureかホテルに着くまで待てます。

2026年10月10日時点で、ケダントの韓国プランでいちばん小さいのは7日以内に使う計1GBで4,900ウォン(3.63ドル、PayPalは米ドル決済)、30日以内に使う計3GBは6,900ウォン(5.12ドル)です。どちらもデータ専用で、韓国の電話番号やSMSは付かず、インストールするまでは全額返金できます。普段の番号の入った日本のSIMはそのまま残ります。プランの一覧は韓国ページに、もっと詰まった日程なら何GB要るかは日数とデータ量の記事にあります。

Wi-Fiだけだと、どこで立ち往生するのか?

差がいちばん分かりやすいのは、昼どきに麻浦(マポ)を走る市内バスです。車内ではSEOUL_Secureで、望遠洞(マンウォンドン)の住宅街の路地にある麺の店までの徒歩ルートが開きます。停留所で降りるとバスが走り去り、Wi-Fiも一緒に行ってしまいます。店までは曲がり角が四つあり、画面の地図はバスの中で読み込んだときのままです。小さなデータプランが後ろで動いていれば、青い点が進み、次の曲がり角が表示されます。Wi-Fiだけなら、曲がった回数を記憶で数えながら歩くことになります。

データは出発前に用意を

SIMはそのままで、データ回線を1つ足すだけです。普段の番号は今のSIMに残ります(海外で電話やSMSを受け取れるかは、ご契約の通信会社のローミングによります)。

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